タイトル
記事No
投稿日
投稿者
参照先
記事No
投稿日
投稿者
参照先
: Re^16: ドライブブースターの動作解説
: 577
: 2021/09/26(Sun) 11:22:58
: tots
:
: 577
: 2021/09/26(Sun) 11:22:58
: tots
:
お返事ありがとうございます。
私にとって難易度が高い内容で、調べて勉強しつつの投稿になり遅くなってしまいました。
> パッシブDIというのは中身は巻き線トランス、つまりはインダクタンスなのでインダクタンスをインダクタンスで受けるというのは、周波数特性というのは打ち消し合います。
> 正規化して言うと、sを純虚数;リアクタンスとして(1+s)/(1+s)=1という事です。
確かにトランスは純抵抗のように振る舞わなさそうですね。
ギターのPUとパッシブDIの入力インピーダンスが大きく異なっていても、打ち消しあうのでしょうか?
> 周波数にも依存するので全帯域ではないですが、ハイゲインディストーションやハイゲインアンプの「シャー」ってノイズは大概これです。
驚きました。高抵抗を見かけたら気にかけるようにしてみます。
> 話を単純化するためにディレイタイムを10msecに固定して
>
> @原音(正相)とミックスした場合は、100Hz×整数倍が山、その間が谷になったコムフィルタが形成される
> A原音(逆相)とミックスした場合は100Hz×整数倍が谷になる。
ここ自体は理解できました。この時点ではどちらが山になろうがかまわないように思えます。
> Bディレイ回路に正帰還(フランジャーのコントロール名で言うとFeedBackというやつ)を与えてやった時、原音の逆相とミックスした音
一回目のディレイではウェットのみが取り出されコムフィルタが一旦なくなるが、二周目以降のフィードバックでまたディレイがかかるためコムフィルタは形成され、フランジャーの音にはなる。でしょうか?
MXRもADAも経験がありませんが、フィードバックを位相反転して戻せるフランジャーの入ったエフェクターは使ったことがあります(01/VかSPXか何かだったような)。音はディレイタイムによるところが大きくて位相反転は有効に使えた記憶がありません。コーラスやフェーザーのように使うのであれば最初からそれらのプログラムがよくできていたため、フランジャーを工夫して使うこともありませんでした。ずいぶん昔のことなので忘れてしまいましたが・・
タイトル
記事No
投稿日
投稿者
参照先
記事No
投稿日
投稿者
参照先
: Re^15: ドライブブースターの動作解説
: 576
: 2021/09/22(Wed) 23:20:19
: すかんだ
:
: 576
: 2021/09/22(Wed) 23:20:19
: すかんだ
:
最後の項は、ちょっとガイドというかヒントがないとちょっと理解できないかもしれないですね。
話を単純化するためにディレイタイムを10msecに固定して
@原音(正相)とミックスした場合は、100Hz×整数倍が山、その間が谷になったコムフィルタが形成される
A原音(逆相)とミックスした場合は100Hz×整数倍が谷になる。
問題はその次です。
Bディレイ回路に正帰還(フランジャのコントロール名で言うとFeedBackというやつ)を与えてやった時、原音の逆相とミックスした音
これと等価なスペクトル分布を持つ回路は
Cディレイ回路に負帰還を与えた音と、原音(正相)をミックスした音
とは勿論違います。
D(原音を予め反転したものにディレイに正帰還をかけた回路)と(原音の正相)をミックスしたもの、ですね。
更にややこしいのは、これとは別に
(ディレイ回路に負帰還を与えてやったもの)がこれに倍々ゲームで加わってきます。
さて、フランジャーの優等生と言われるMXRフランジャー、あるいはキワモノと言われるADAのフランジャーはどのトポロジーだったのでしょう?これを機序として把握してる人は案外少ないように思います。
タイトル
記事No
投稿日
投稿者
参照先
記事No
投稿日
投稿者
参照先
: Re^14: ドライブブースターの動作解説
: 575
: 2021/09/22(Wed) 22:55:47
: すかんだ
:
: 575
: 2021/09/22(Wed) 22:55:47
: すかんだ
:
>> パッシブDIで受けたりすることもあるので甘く考えていましたが、偶然いい音に劣化しているだけでしょうか。
パッシブDIというのは中身は巻き線トランス、つまりはインダクタンスなのでインダクタンスをインダクタンスで受けるというのは、周波数特性というのは打ち消し合います。
正規化して言うと、sを純虚数;リアクタンスとして(1+s)/(1+s)=1という事です。
> SQRT(4 * 1.38e-23 * 1M * 20KHz)*100 = 1.8mVで合っているでしょうか・・帯域全体としてもこんなに大きいですか?何か間違っている気が・・1.8mVもあったら全然聞こえそうです。
周波数にも依存するので全帯域ではないですが、ハイゲインディストーションやハイゲインアンプの「シャー」ってノイズは大概これです。
> 原音と同じレベルとタイミングで反転出力を加算すると+-がゼロになり、ウェット音だけが残る?でしょうか?
回路トポロジーを現象として確認するのはそれで充分なんですが、この話の面白い所…話の核は、形成されるコムフィルターの形とディレイタイムの関係です。
タイトル
記事No
投稿日
投稿者
参照先
記事No
投稿日
投稿者
参照先
: Re^13: ドライブブースターの動作解説
: 574
: 2021/09/22(Wed) 00:55:31
: tots
: http://www.matsumin.net/diy/jisaku1/od808/index.html
: 574
: 2021/09/22(Wed) 00:55:31
: tots
: http://www.matsumin.net/diy/jisaku1/od808/index.html
お返事ありがとうございます。
> ギターから(つまりピックアップ〜Volコントロールを通過した)の信号を直接繋ぐものについては、受け側の入力インピーダンスは100kΩでも低いくらいなんです。
ギターを受けるには500Kくらいあれば良さそうでしょうか?
パッシブDIで受けたりすることもあるので甘く考えていましたが、偶然いい音に劣化しているだけでしょうか。
> 一方で抵抗というのは(抵抗の種類に関わらず)抵抗値と温度の指数に比例した「熱雑音」というのを吐き出します。
早速検索してみました。1MΩの熱雑音を100倍増幅すると、可聴域20KHz幅として
SQRT(4 * 1.38e-23 * 1M * 20KHz)*100 = 1.8mVで合っているでしょうか・・帯域全体としてもこんなに大きいですか?何か間違っている気が・・1.8mVもあったら全然聞こえそうです。
> ・ハイゲインディストーション
> 非反転だとパッシブフットスイッチの端子間寄生容量で発振するケースがあります。この場合反転出力とすると不思議な事に発振が収まる
自分なりに考えてみました。
端子間寄生容量で正帰還するものがディストーションを含めた回線で1倍以上になると発振するが、反転出力ならほとんどの帯域で正帰還にならないため発振しない?
もしそうならすごく便利ですね。
> 例えばMXRのフランジャーの原音成分は反転出力です。
> 外部ミキサーで原音と1:1でミックスするとディレイ音だけが残ります。
原音と同じレベルとタイミングで反転出力を加算すると+-がゼロになり、ウェット音だけが残る?
でしょうか?
タイトル
記事No
投稿日
投稿者
参照先
記事No
投稿日
投稿者
参照先
: Re^12: ドライブブースターの動作解説
: 573
: 2021/09/21(Tue) 11:51:39
: すかんだ
:
: 573
: 2021/09/21(Tue) 11:51:39
: すかんだ
:
> ストンプボックスでは逆相のまま出力しても大した問題ではないのかもしれませんが・・
要素の切り分けとして二点に分けて考えましょう。
@入力インピーダンスについて
ギターから(つまりピックアップ〜Volコントロールを通過した)の信号を直接繋ぐものについては、受け側の入力インピーダンスは100kΩでも低いくらいなんです。
一方で抵抗というのは(抵抗の種類に関わらず)抵抗値と温度の指数に比例した「熱雑音」というのを吐き出します。
そういう理由で1MegΩ以上の抵抗は設計者としてはできる事なら敬遠したい所なんです。
A位相反転について
コンパクトエフェクターで「出力を非反転にする積極的なメリットがない」というのはそうなんですが
むしろ「反転とするメリットがある」ケースを二点ほど挙げておきましょう。
・ハイゲインディストーション
非反転だとパッシブフットスイッチの端子間寄生容量で発振するケースがあります。この場合反転出力とすると不思議な事に発振が収まる
・フランジャー
例えばMXRのフランジャーの原音成分は反転出力です。
外部ミキサーで原音と1:1でミックスするとディレイ音だけが残ります。
この理由は非常に面白い話なので皆さん是非一度考えてみて下さい。
タイトル
記事No
投稿日
投稿者
参照先
記事No
投稿日
投稿者
参照先
: Re^11: ドライブブースターの動作解説
: 572
: 2021/09/19(Sun) 23:57:04
: tots
: http://www.matsumin.net/diy/jisaku1/od808/index.html
: 572
: 2021/09/19(Sun) 23:57:04
: tots
: http://www.matsumin.net/diy/jisaku1/od808/index.html
お返事ありがとうございます。
>ドライブブースターの場合に限って言えば、先述の心配は無用です(ここが重要)
> (出力レールの最大値×分圧比)≧(-入力端子電圧)=(+入力電圧)
> としてやる事が、線形変換を成立させてやる条件です。
イマジナリーショートの意味が若干わかってきました。
オペアンプのVin間に過大入力をせず、帰還ループの中で帰還があまりに小さくなるようなことがなければ安全に線形に増幅できそうということでしょうか。
> 「何故やらないのか」ではなく「実際やられてる手法」なんです。
> 入力バッファ通過後の処理として反転増幅を採用してる作例はエフェクタ業界でもよく見かけます。具体的に言うとBOSSのコンパクトなど。
> 増幅率を大きく取る必要がなく、前段の出力インピーダンスが十分低いケースでは、その認識は直感として正しい。
入力バッファ後であれば見かけるということは、入力バッファ自体を反転増幅にするのはあまり現実的ではないのですね。
入力バッファの後に逆相になる回路がひとつある場合など、入力バッファで反転させておきたいケースもあるかと思いました。
ストンプボックスでは逆相のまま出力しても大した問題ではないのかもしれませんが・・
タイトル
記事No
投稿日
投稿者
参照先
記事No
投稿日
投稿者
参照先
: Re^6: ドライブブースターの動作解説
: 571
: 2021/09/19(Sun) 23:40:52
: tots
: http://www.matsumin.net/diy/jisaku1/od808/index.html
: 571
: 2021/09/19(Sun) 23:40:52
: tots
: http://www.matsumin.net/diy/jisaku1/od808/index.html
お返事ありがとうございます。
> 一応それでも動くんですが、意図しないオフセット電圧の直流も増幅してしまうので大きな増幅率だと出力に直流が出てきます。
> 必要がない帯域は増幅しない様にするのが基本です。
C2が一個で何役も働いているのがわかりました。最初はローカット役にしか見えていませんでした。
本日、回路図を幾つか見ていて気になったもののひとつとして
http://www.matsumin.net/diy/jisaku1/od808/index.html
他サイト(maxon他社製品)のことで恐縮ですが、こちらの回路図では、入力バッファのボルテージフォロアでVin-をBIASに落としているようです。これが必要なこともあるのでしょうか? なくても問題ないのであれば、BIASが揺れるだけのようにも思いました。
タイトル
記事No
投稿日
投稿者
参照先
記事No
投稿日
投稿者
参照先
: Re^10: ドライブブースターの動作解説
: 570
: 2021/09/16(Thu) 23:36:58
: すかんだ
:
: 570
: 2021/09/16(Thu) 23:36:58
: すかんだ
:
最後に
>・・では、反転増幅回路でも入力側の抵抗値を大きくとれば(1MΩなど)、入力インピーダンスは充分稼げるように思ってしまうのですが、それをやらないのはなぜでしょうか???
入力バッファ通過後の処理として反転増幅を採用してる作例はエフェクタ業界でもよく見かけます。具体的に言うとBOSSのコンパクトなど。
増幅率を大きく取る必要がなく、前段の出力インピーダンスが十分低いケースでは、その認識は直感として正しい。
「何故やらないのか」ではなく「実際やられてる手法」なんです。
タイトル
記事No
投稿日
投稿者
参照先
記事No
投稿日
投稿者
参照先
: Re^9: ドライブブースターの動作解説
: 569
: 2021/09/16(Thu) 23:28:39
: すかんだ
:
: 569
: 2021/09/16(Thu) 23:28:39
: すかんだ
:
と、一応は技術的な説明はした上で
ドライブブースターの場合に限って言えば、先述の心配は無用です(ここが重要)
(出力電圧)±(帰還ループのダイオードのVf)が(+入力電圧)を超えた瞬間に十分大きな電流が帰還ループの接地抵抗に流れてイマジナリショートが成立する。
つまり安定動作するという事です。
ただ、この時の正味の入力インピーダンスを可聴周波数を超えるような広帯域に渡って正確に評価するのは案外難しい問題ではあります。
タイトル
記事No
投稿日
投稿者
参照先
記事No
投稿日
投稿者
参照先
: Re^8: ドライブブースターの動作解説
: 568
: 2021/09/16(Thu) 23:16:59
: すかんだ
:
: 568
: 2021/09/16(Thu) 23:16:59
: すかんだ
:
以上を踏まえた上で(前置きが長くなってしまいましたが)
ループ回路(出力端子から-入力の間の回路)の分圧比を計算して
(出力レールの最大値×分圧比)≧(-入力端子電圧)=(+入力電圧)
としてやる事が、線形変換を成立させてやる条件です。
「出力レールの最大値」が有限なので「歪む」わけですね。
これを非線形変換と呼びます。