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: Re^23: ドライブブースターの動作解説
: 584
: 2021/10/07(Thu) 09:44:58
: すかんだ
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: 584
: 2021/10/07(Thu) 09:44:58
: すかんだ
:
まず2点ほど
>参考にしたページの式から0.57V/us付近となり
9V片電源で10kHzの場合、該当の式:2πfVpp/2;Vpp/2≒(Vcc-Vee)/2=4.5で
0.57V/usではなくて0.28V/usですね
> オペアンプ内部で歪んだ場合にどうなるのか考えた際
先述の式は「振幅Vppのf(Hz)の正弦波を『出力』するのに必要なSR」の式であり
一方で特にディストーションなんかの場合に問題となるのは
「振幅Vppの正弦波(あるいは混合波)の『入力』をA倍増幅した波形を立ち上がらせるSR」です。
後者の「入力振幅×A」が出力レールを超える場合は前者の式を適用するのは妥当ではない。
>例えば本サイトの「ディストーション」で使用されているTL072は13V/usあるので、変えてみたら良いかもしれない。
これに関しては逆に私の一つ前のレスでの試算が甘かったですね。
入力周波数を1kHzまでしか見ていない。
10kHzまで見れば当然10V/usec必要。
>分からないのは、オペアンプ自体で歪んだ場合は内部の入出力のトランジスタの動作<=>停止に移行していく電圧の非線形領域があるはずで、この領域を行き来する速度とスルーレートは関係があるのか
線形解析ではないので定量的に記述するのが難しいのですが
矩形波の角でリンギングというかジッターノイズというかを生じたり、発振する場合もあります。
発振については特に帰還ループの時定数と増幅率が支配的なんですが
オペアンプのラインナップとして高SR≒高GB積という傾向にあるという事です。
俗語的な言い回しとして「速いオペアンプ」というのはこういう傾向を持った石の事を指している事が多いですね。
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: Re^22: ドライブブースターの動作解説
: 583
: 2021/10/06(Wed) 15:23:57
: tots
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: 583
: 2021/10/06(Wed) 15:23:57
: tots
:
お返事ありがとうございます。
言葉足らずですみません。
参考にしたのはこちらのページでして、
https://www.marutsu.co.jp/contents/shop/marutsu/mame/105.html
私が読んで思ったのは以下のような感じでした。
「ギター用ストンプにおいては帯域10KHzもあれば許容範囲とし、振幅はどんなに大きく見積もっても電池の9V以下とすると、参考にしたページの式から0.57V/us付近となり、ドライブブースターで使用されている4558のスルーレートの1V/usを超えない。ギターは正弦波ではないため、この式では不適切かもしれないが、仮に高域から音が徐々になまってもエフェクトとして悪いサウンドとは限らないと思われる(悪い可能性もある; これが積極的に音が変わるのを是としないミキサー等の場合は若干心配)。そのへんで売っているオペアンプは0.5V/us程度以上はあるようで、以上からギターエフェクターにおいてはICのスペックとしてスルーレートはあまり気にしなくてよいと思った。もしスルーレートのせいで良いサウンドでない場合、例えば本サイトの「ディストーション」で使用されているTL072は13V/usあるので、変えてみたら良いかもしれない。分からないのは、オペアンプ自体で歪んだ場合は内部の入出力のトランジスタの動作<=>停止に移行していく電圧の非線形領域があるはずで、この領域を行き来する速度とスルーレートは関係があるのか、もしあるならサウンドにどう関係してくるのかが想像がつかない」
以上のような予想をしました。
オペアンプ内部で歪んだ場合にどうなるのか考えた際、4558のデータシートの等価回路図を参考にしました。副産物としてイマジナリーショートの原理が少し掴めた気がします。
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: Re^21: ドライブブースターの動作解説
: 582
: 2021/10/04(Mon) 21:56:32
: すかんだ
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: 582
: 2021/10/04(Mon) 21:56:32
: すかんだ
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> これも調べました。ギターのエフェクターではあまり考えなくていいことに思えましたが、あっているでしょうか?
> 理由は高域を稼ぐ必要もなく振幅もそれほど大きくないため、スルーレート大きくするメリットがないように思いました。
> ただ非線形増幅になったときにスルーレートがどう影響してくるのかはイメージできていません。
1kHzで1Vpeak(これは平均的なギターのピックアップ出力よりかなり大きい)を正確に再現するのに必要なスルーレートは
sinθのθに関する微分=cosθの最大値を単位時間で割って1V/msec
これに1000倍の増幅率(ハイゲインディストーションくらいの増幅率)を掛けたとして1V/usec程度。
これくらいのスルーレートがあるオペアンプならば大丈夫でしょう。
ポイントは、きちんとデータシートと照らし合わせて定量的に計算した上で評価する事です。厳しい言い方をすると「関係ない」とする根拠が不明なんです。
例えば、既に歪ませた(矩形波に近い)波形を、内部回路として±15Vのフルスケールで扱う場合はスルーレートが引っ掛かってきます。
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: Re^20: ドライブブースターの動作解説
: 581
: 2021/10/04(Mon) 11:00:58
: tots
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: 581
: 2021/10/04(Mon) 11:00:58
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お返事ありがとうございます。
> ディレイタイムが0に近付いてある特異点となった時に
> @の正相ミックス、かつディレイループが正帰還の回路は
> フィードバックループが0.5を超えたあたりで急激に増幅率が∞になります。つまり原音と関係なく発振する。
入力がDCをカットしていても、フィードバックループだけで発振できてしまうということですね。面白いですね。
フランジャーの回路図も読んでみます。
だいぶ前のお返事ですが、
> ・スルーレートも∞(これは今はちょっと理解できないタームかもしれませんが一応)
これも調べました。ギターのエフェクターではあまり考えなくていいことに思えましたが、あっているでしょうか?
理由は高域を稼ぐ必要もなく振幅もそれほど大きくないため、スルーレート大きくするメリットがないように思いました。
ただ非線形増幅になったときにスルーレートがどう影響してくるのかはイメージできていません。
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: Re^19: ドライブブースターの動作解説
: 580
: 2021/09/29(Wed) 20:33:35
: すかんだ
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: 580
: 2021/09/29(Wed) 20:33:35
: すかんだ
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Aのメリットというよりは@のデメリットを挙げておきます。
ディレイタイムが0に近付いてある特異点となった時に
@の正相ミックス、かつディレイループが正帰還の回路は
フィードバックループが0.5を超えたあたりで急激に増幅率が∞になります。つまり原音と関係なく発振する。
発振しない範囲で、無駄な低域をカットしたAの音色がMXRのフランジャーであり、それはBOSSなんかも継承している仕様です。
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: Re^18: ドライブブースターの動作解説
: 579
: 2021/09/29(Wed) 11:51:42
: tots
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: 579
: 2021/09/29(Wed) 11:51:42
: tots
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> @は左端が山から始まるコムフィルター
> Aは左端が谷から始まるコムフィルター
> となります。これはわりと大きな違いだと思いませんか?
すみません、お手上げです・・。
サウンド自体は変わると思いますが、DCに極めて近い帯域はカットされるでしょうし、2のメリット自体は思いつきませんでした。
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: Re^17: ドライブブースターの動作解説
: 578
: 2021/09/27(Mon) 09:36:35
: すかんだ
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: 578
: 2021/09/27(Mon) 09:36:35
: すかんだ
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> > 話を単純化するためにディレイタイムを10msecに固定して
> >
> > @原音(正相)とミックスした場合は、100Hz×整数倍が山、その間が谷になったコムフィルタが形成される
> > A原音(逆相)とミックスした場合は100Hz×整数倍が谷になる。
>
> ここ自体は理解できました。この時点ではどちらが山になろうがかまわないように思えます。
それが実は「かまわない」事ではないのです(出題の文章が少々ミスリードだったかもしれませんが)
@、Aそれぞれの時に0Hz(の極値)は山になるか谷になるか?
ゼロも整数ですから、@は山、Aの方は谷になる(極値として近づく)
つまり
@は左端が山から始まるコムフィルター
Aは左端が谷から始まるコムフィルター
となります。これはわりと大きな違いだと思いませんか?
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: Re^16: ドライブブースターの動作解説
: 577
: 2021/09/26(Sun) 11:22:58
: tots
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: 577
: 2021/09/26(Sun) 11:22:58
: tots
:
お返事ありがとうございます。
私にとって難易度が高い内容で、調べて勉強しつつの投稿になり遅くなってしまいました。
> パッシブDIというのは中身は巻き線トランス、つまりはインダクタンスなのでインダクタンスをインダクタンスで受けるというのは、周波数特性というのは打ち消し合います。
> 正規化して言うと、sを純虚数;リアクタンスとして(1+s)/(1+s)=1という事です。
確かにトランスは純抵抗のように振る舞わなさそうですね。
ギターのPUとパッシブDIの入力インピーダンスが大きく異なっていても、打ち消しあうのでしょうか?
> 周波数にも依存するので全帯域ではないですが、ハイゲインディストーションやハイゲインアンプの「シャー」ってノイズは大概これです。
驚きました。高抵抗を見かけたら気にかけるようにしてみます。
> 話を単純化するためにディレイタイムを10msecに固定して
>
> @原音(正相)とミックスした場合は、100Hz×整数倍が山、その間が谷になったコムフィルタが形成される
> A原音(逆相)とミックスした場合は100Hz×整数倍が谷になる。
ここ自体は理解できました。この時点ではどちらが山になろうがかまわないように思えます。
> Bディレイ回路に正帰還(フランジャーのコントロール名で言うとFeedBackというやつ)を与えてやった時、原音の逆相とミックスした音
一回目のディレイではウェットのみが取り出されコムフィルタが一旦なくなるが、二周目以降のフィードバックでまたディレイがかかるためコムフィルタは形成され、フランジャーの音にはなる。でしょうか?
MXRもADAも経験がありませんが、フィードバックを位相反転して戻せるフランジャーの入ったエフェクターは使ったことがあります(01/VかSPXか何かだったような)。音はディレイタイムによるところが大きくて位相反転は有効に使えた記憶がありません。コーラスやフェーザーのように使うのであれば最初からそれらのプログラムがよくできていたため、フランジャーを工夫して使うこともありませんでした。ずいぶん昔のことなので忘れてしまいましたが・・
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: Re^15: ドライブブースターの動作解説
: 576
: 2021/09/22(Wed) 23:20:19
: すかんだ
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: 576
: 2021/09/22(Wed) 23:20:19
: すかんだ
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最後の項は、ちょっとガイドというかヒントがないとちょっと理解できないかもしれないですね。
話を単純化するためにディレイタイムを10msecに固定して
@原音(正相)とミックスした場合は、100Hz×整数倍が山、その間が谷になったコムフィルタが形成される
A原音(逆相)とミックスした場合は100Hz×整数倍が谷になる。
問題はその次です。
Bディレイ回路に正帰還(フランジャのコントロール名で言うとFeedBackというやつ)を与えてやった時、原音の逆相とミックスした音
これと等価なスペクトル分布を持つ回路は
Cディレイ回路に負帰還を与えた音と、原音(正相)をミックスした音
とは勿論違います。
D(原音を予め反転したものにディレイに正帰還をかけた回路)と(原音の正相)をミックスしたもの、ですね。
更にややこしいのは、これとは別に
(ディレイ回路に負帰還を与えてやったもの)がこれに倍々ゲームで加わってきます。
さて、フランジャーの優等生と言われるMXRフランジャー、あるいはキワモノと言われるADAのフランジャーはどのトポロジーだったのでしょう?これを機序として把握してる人は案外少ないように思います。
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: Re^14: ドライブブースターの動作解説
: 575
: 2021/09/22(Wed) 22:55:47
: すかんだ
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: 575
: 2021/09/22(Wed) 22:55:47
: すかんだ
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>> パッシブDIで受けたりすることもあるので甘く考えていましたが、偶然いい音に劣化しているだけでしょうか。
パッシブDIというのは中身は巻き線トランス、つまりはインダクタンスなのでインダクタンスをインダクタンスで受けるというのは、周波数特性というのは打ち消し合います。
正規化して言うと、sを純虚数;リアクタンスとして(1+s)/(1+s)=1という事です。
> SQRT(4 * 1.38e-23 * 1M * 20KHz)*100 = 1.8mVで合っているでしょうか・・帯域全体としてもこんなに大きいですか?何か間違っている気が・・1.8mVもあったら全然聞こえそうです。
周波数にも依存するので全帯域ではないですが、ハイゲインディストーションやハイゲインアンプの「シャー」ってノイズは大概これです。
> 原音と同じレベルとタイミングで反転出力を加算すると+-がゼロになり、ウェット音だけが残る?でしょうか?
回路トポロジーを現象として確認するのはそれで充分なんですが、この話の面白い所…話の核は、形成されるコムフィルターの形とディレイタイムの関係です。