タイトル | : Re: 自作キット等レイアウトの著作権について |
投稿日 | : 2015/12/10(Thu) 22:04:30 |
投稿者 | : APS |
参照先 | : |
古い話題ですが、多少の法律の知識がありますので書かせていただきます。
回路図・PCBパターン図・実態配線図には著作権があります。それらは「アイデア」を「表現」したものです。著作権は「表現されたもの」に対して発生します。
なので、たとえば誰かの書いた回路図を自分のサイトなどで(少々改変を加えてたにしても)勝手に公開したら、著作権の侵害にあたる可能性があります。
「可能性があります」という言い方をしたのには理由があり、その行為が著作権の侵害に当たるかどうかが「著作権者しだい」だからです。(著作権の侵害というのは刑事罰対象の「罰のある罪=犯罪」なのですが、この犯罪は「親告罪」だからです)
ということですが、刑事罰の可能性がある(犯罪となりうるかもしれない)ので、回路図などの無断転載などは止めておくべきです。
さて、これから書くことの方が意外に思われるかもしれませんが、大事なことです。
「その回路図を元に作ったものを勝手に販売したらどうなるか?」
の回答は
「著作権の侵害にはあたらない」
です。
回路図などには著作権が発生しますが、その内容には著作権は発生しません。
内容は「回路構成のアイデア」であり、それはすなわち技術的思想です。
その技術的思想を利用して勝手に製品をつくって販売しても、著作権侵害にはあたりません。
(その「アイデア」が「特許」を取得しているものであったり「半導体回路配置保護法」によって保護される内容のものであった場合は、そちらの権利侵害にあたる可能性がありますが、楽器用エフェクターやアンプの回路構成のレベルではそのケースにはあたりません)
ぴースケさんの回路図(ぴースケさんに著作権のある作品)を例としてまとめとして解説します。
ぴーすけさんの作成した回路図の著作権は、それを作成した時点でぴースケさんにあります。
「著作権は私ぴースケに帰属します」みたいなことを書かなくても、どっかに届出を出さなくても、著作権は発生しています。転載されたら、権利の所有者としてその権利を行使できます。
ですがその回路図の「内容(回路構成のアイデア)」は著作権で保護されません。
なので、ぴースケさんの回路図通りのエフェクターを誰かが勝手に作って、勝手な名前をつけて商売にしてても、ぴースケさんはその行為を「著作権の侵害」を根拠として訴えることはできません。(著作権侵害として刑事告訴はできません。当然のことながら被害届は受理してもらえません。著作権侵害という刑事罰対象の要件にあたらないからです)
ただし、あまりにも悪質にぴースケさんの商売の邪魔をしているような「やりかた」であったなら、民法709条の不法行為の要件に該当させることはできるでしょう。著作権とは全く関係ない話になりますが、損害賠償請求の対象として、民事的な案件(示談・裁判)となります。
※
ソフトウエア(プログラム・ソースコード)の権利保護とは同列で語れません。
法的に別の管轄です。
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